アニメ進撃の巨人4期13話の感想

 

進撃の巨人 アニメ4期13話の感想です

 

◎食文化

ポカンと見てるせいで気にもとめなかったけど、

数話前の回で

初めてニコロの作るマーレ料理を見たジャンたちが、

これはゲテモノ料理じゃないか、と見た目で嫌厭するシーンがある。

今回の料理もおそらく、魚中心だったのではないだろうか。

 

マーレ料理は海産料理中心なのだろう。

巨大な島の内陸(壁の中)だけで育ってきているジャンたちは麦や牧畜された肉しか食べた事がなくて、海産料理を見た事がない。

(島と言っているが、エルディア島はフランスがすっぽり入るぐらいの大きさ)

だから、ああ言うリアクションだったのだなあ、と後から気づく。

 

ただ、ファルコが、「うまい!こんな旨い料理は初めてだ!!」と言っているので、結局ニコロの腕がいいのは間違い無いのだろう。

 

◎演出

 

カヤがガビを殺そうとするシーン

 

これはどちらも、どう演出するかが難しいシーンなのだろう。

最初のカヤがガビを殺そうとするシーンは、

漫画の方ではもっと勢いがよく、時系列を感じさせない『瞬間的』な一コマで表現されていた。

それに比べて、アニメの方は、ガビの「本当に私が憎くないの?」のセリフの後で、カヤがナイフを持って机の脇を通ってガビに近づき、ミカサに止められるという『流れ』を見せていた。

 

漫画の方がアニメ的な演出であり、

アニメの方は実写ドラマ的な演出である。

 

 

漫画の方をアニメ的と書いたのは根拠があり、

昔見たもののけ姫制作のドキュメンタリー番組で

宮崎駿がアニメーターにダメ出ししていたシーンを見たからである。

サンがエボシをナイフで殺そうとする場面で、

アニメーターは、サンの動作でナイフの速さを演出しようとしていた。

それを見た駿は、「最初にナイフのアップを見せてから動かした方が早く見えるんだ」と言って自分で書き直していた。

 

上記に習えば、ガビが「私が本当に憎くないの?」のセリフの直後にカヤがナイフを振り下ろすシーンを描けばいいのである。

実際に、漫画ではそういう類の表現だった。

 

ではなぜ、アニメではカヤがナイフ持って近づいてくるシーンが必要だったのだろうか?

これはおそらく、少しでも演出の中に俯瞰する描写を入れたかったからなのだろう。

アニメに没入させるには、不必要なシーンなのだろうが、あくまで少し引いた目線にする。

漫画で使われた瞬間的な一コマでは、意図して視聴者の目線が「殺される方(ガビ)」になってしまう。

しかし、その前にカヤがナイフを持って近づくというシーンを入れる事によって、

他人の目線でガビがナイフで襲われるシーンを見せようとしていたのだろう。

これは、自分の時間軸で読める『漫画』と、

1話25分という実際の時間に、ドラマとテーマをどう演出するかという『アニメ』の違いなのだろう。

 

このシーンでは、どちらが被害者でどちらが加害者か、という単純な話をしていない。

だからこそ、些細な違いだが、間違った捉えられ方を防ぐ為にこういう演出が必要だったのだろう。

 

◎独特の間

 

他にも、独特の間のシーンがある。

前話で、地下室でハンジがエレンに話しかけるシーン。

「2回言ったってことは、2回戦があるのかな」とか、コント的で独特なハンジのコニュニケーションセンスと、シリアスなムードをふらつかせたくないエレン。

漫画で見れば、シュールなギャグシーンなんだけど、

アニメでは、ハンジのサイコパス性が強調されている演出だった。

あのシーンは、ギャグ漫画の文脈だから、最近シリアスな進撃では中々演出が難しいとこだったと思う。

 

 

 

 

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