すべての知識を紙一枚に「20字」でまとめる事ができる本を読んだ話

書評

 

 

『本を読んだら内容にすごく感心したんだけど、

なんだかうまく説明できないなあ』

という状態によく陥らないだろうか。

私はよくある。

有りすぎて、読書とか無意味なんじゃないかと常々思うこの頃。

 

今回はそんな私のような人の為に

浅田すぐるさんの著書

『紙一枚!独学法 -すべての知識を「20字」でまとめる-』

を読んだので、まとめてみました。

 

 

学習とは

読んだ本の内容を覚えているか

 

例えば、3日前に食べた晩ごはんをあなたは覚えているだろうか?

どんなに絶妙な舌鼓を打ちながら御馳走を食べていても、おそらく詳しくは思い出せないはずだろう。

これと同じ事が読書でも起こっていると著者は主張している。

食べた情報が一時の快楽になって栄養にならないのなら、もったいないではないか。

学習が消費される時代

 

最近では、TVでも謎解き脳トレ番組や一般常識クイズなどが多く成立している。

学習というものの敷居が低くなり、人間の知識欲を満たしてくれる新しい娯楽の形だ。

しかし、学習と言うものがあまりにインスタント化され、スナック菓子のような感覚で消費されてしまっている。

1問出題されると即座に答えが出て、その解釈をよく咀嚼する暇を持たせずに、次の問題が出題されてしまう。

これでは、よく理解する事ができない。

考えを自分の頭でまとめる、という記憶をするのに大事な部分が発達しないのだ。

そもそも、理解とは何か

 

筆者は理解について、こう記載している。

理解とは、『人に説明できる状態になること』である、と。

なるほど。

我々は、理解を『自分の中で完了する事』と捉えがちだが、それは自己満足におわってしまうだけだ。

考えてみれば、理解した情報と言うものは使わなければ意味がない。

『理解』を発揮できるのは、どんな形であれ他人にその知識や技術を伝える時、または、それで培われた能力でサービスを提供する時である。

つまり、人に伝達する事によって理解は成立し、学習は完了するのである。

 

学習の目的

 

そもそも、人はなんの為に学ぶのだろうか。

原始時代にまで遡って考えれば、それはより確実な生存を成す為である。

 

自分の縄張の近くに水場は何箇所あるのか?

以前狩りをして獲物が捕れたのは何処だったか?

食べられる果物はどの時期に実がなり、どの食べ物に毒があるのか?

 

どれも、命に関わるものであり、今後の行動の指針になるものである。

枯れた場所で待っていても雨はふらないし、

獲物を狩りに行かなければ向こうから食われに来ることもない。

知識を得て、自分が動く事だ。

つまり、学習とは行動に現れないと無価値に等しいものなのだ。

今後の行動が変わる事こそが学習の真髄なのである。

 

具体的な方法

 

本書では、その学習の手助けとして

A4一枚の紙でできる思考整理の方法を提示してくれている。

やり方は3ステップ

  1. 『本のテーマ』と『読む目的』を上部に書く
  2. 目的達成に使えそうな『キーワード』を16個書き出す
  3. キーワードを整理し、20字にまとめた結論を書く

これだけである。

 

また、思考整理のポイントとして、3つの疑問符を持つ事を薦めている。

それは、

「What?」「Why?」「How?」である。

人間は、学びの傾向として、

What重視 → たくさんのケーススタディを重視する人

Why重視 → 何故?をとことん重視する人

How重視 → 「で、どうするの?」「どうなるの?」「次は?」と疑問符ばかり沸いてくる人

のどれかに該当するからである。

つまり、この3つを要点において考えれば、あらゆる人への説明が可能となるのだ。

 

最後に

 

 

学習にも種類がある。

『知的好奇心型』

『自己満足型』

『経歴獲得型』

といろいろ目的はあるだろう。

だが、著者はぜひ『他者貢献型』の学習をして欲しいと著者の最後にて訴えている。

 

やはり、ビジネス書という事もあって、仕事に役立てたいならこの意識が大事になってくるのであろう。


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